「ここの風呂の湯、飲んだらマジで腹壊すらしいぞ……」

化学科の学生が真顔で語ったという恐ろしすぎる都市伝説かもしれないしマジ話かもしれない。


こんにちは!北海道大学の大学院でAIの研究をしているヒグマです🐻

 高専寮のヤバすぎるリアルを赤裸々に語る連載をしてますが、第4回は毎晩がサバイバルだった「お風呂」のお話です!

なぜそんなバイオハザードな噂が生まれたのか?

 その理由は、当時の「狂った入浴事情」を知れば一発で分かります。

男子250人 vs 2時間半のタイムアタック

まずはこの絶望的な数字を見てください。 うちの寮は男子3棟・女子1棟という構成で、男子寮生は約250人

それに対して、男子風呂を利用できる時間がこちらです。

  • 平日:17:30〜20:00(たったの2時間半!

  • 土日:17:30〜21:50

平日はなんと2時間半一本勝負。 しかも、20時30分には全寮生必須の「絶対参加の点呼」が待ち構えています。

部活勢が食堂にたどり着くのがだいたい19時30分頃。

そこから夕食をかき込み、風呂に飛び込み、点呼に滑り込む。 

前回紹介した、あの絶対に噛み切れない「ゴム肉」が夕食に出た日はまあ大変ですねw 

肉と格闘している間にも、風呂の営業時間は容赦なく削られていきます。

浴室内に潜む「謎の学年格差」

さらに過酷なのが、浴室の構造です。 男子風呂は「下級生側」と「上級生側」に真っ二つに分かれており、設備はこうなっていました。

  • 1〜2年生側:シャワー 14基 + 浴槽

  • 3〜5年生側:シャワー 14基 + 浴槽

……お気づきでしょうか。 一見、3学年が使う上級生側と平等な設備に見えますが、実は寮の人口はピラミッド型になっていて、下級生は上級生の2倍程度います。 そのため、実際に大パニックになるのは圧倒的に下級生側なのです。

なぜなら、1〜2年生はほぼ全員が部活に所属しているため、「部活終了 → 夕食 → 風呂」のゴールデンタイムが見事にバッティングします。

19時30分を過ぎると、一斉に14基のシャワーに人が殺到するわけです。 一方、上級生は部活を引退している人も多く、入浴時間は綺麗に分散します。

結果、壁一枚を挟んで「下級生側は地獄の満員電車、上級生側は優雅なスパ」という理不尽な格差社会が生まれていました。

 壁の向こうから聞こえるゆったりとしたシャワー音を聞きながら、「向こう、めっちゃ空いてそうだなあ……」とギリギリ歯噛みするのが下級生の日常です。

名物「裸の行列」と、身につく無駄なスキル

大混雑のピークタイム、下級生側のシャワー14基の前にはズラリと列ができます。 そして混雑が極まると、ついに列は浴室を飛び出し、脱衣所にまで全裸の男子寮生が並ぶというカオスな光景が広がります。

スーパーのレジ待ちのごとく、服を脱いだ男たちが静かに並ぶ異様な空間。 しかし、毎日見ていると違和感すら消え失せます。

「今日は15人待ちか」 「今日は30分であがれるといいなあ」

並んでいるうちに、「シャンプーを始めたばかりだから遅い」「体を流しているからあと1分で空く」と、後ろ姿を見るだけで前の人の残り時間を完璧に見極めるスキルが身につきました。 

※もちろん、社会に出たら一切役に立たない能力です

点呼が迫る!シャワーを諦めた猛者たち

しかし、のんびり列を見極めている時間すら無い時があります。 20時30分の点呼に遅れればペナルティ。もうシャワーを待っていられない!となった寮生がどうするか。

「浴槽のお湯を使って、全身を洗い始める」のです。

洗面器で湯船のお湯をすくい、頭から豪快にかぶる。石鹸で体を洗いお湯をかぶる。そして爆速で風呂を出る。

超絶に効率的な入浴スタイルです。

当時は誰もが時間に追われていたので「お、今日は浴槽コースでいくか」くらいの感覚で誰も気にしていませんでした。

ただ、冷静に考えてみてください。 

その浴槽には部活帰りで泥だらけの人間や、汗だくの人間が大量に浸かっているんです。

時間とともに、お湯は確実に「寮生の成分がたっぷり溶け込んだ濃厚スープ」へと進化していきます。

化学科の宣告「飲んだら腹を壊す」

ここで、最初の噂に戻ります。

化学科が風呂の湯を調べたところ、「飲んだら腹を壊すレベル」の菌が検出された。

実際のデータは誰も知りません。 

しかし、この異常な入浴事情を経験している寮生たちは全員、「まあ、そりゃそうだろうな」と深く納得していました。

一番ホラーなのは営業終了間際のカオスな時間帯でも見た目は普通の無色透明なお湯だということ。

濁りも浮遊物もないからこそ、見えない菌の存在が余計に恐怖を煽ります。

この都市伝説を聞いて、静かに湯船を卒業していった潔癖症の仲間たちは数知れません。

ここまで散々ヤバさを書いておいて何ですが、最後に白状します。

私は、毎日しっかり湯船に肩まで浸かる派でした(笑)。

限界まで疲れた体に温かいお湯はやっぱり最高なんです。

菌がどうとか言っていられません。
ただし、私なりに絶対に譲れない防衛ラインがありました。

「上がる直前に絶対にシャワーの綺麗なお湯で全身を洗い流す」

湯船でしっかり温まった後シャワーで徹底的に洗い流す。

これで自分の中では「完全にリセットされた」と思い込むことにしていました。(実際にリセットされていたかは不明です) 

これが、5年間のサバイバル寮生活でたどり着いた私の最適解です。

今振り返ると、脱衣所まで続く裸の行列も、シャワー列を見極める謎の眼力も、すべてが濃密で良い思い出です。

次回は、寮の「一日のスケジュール」についてお話しします! 朝7時20分の点呼、200人規模の早朝ラジオ体操、そして夜の静粛時間。自由奔放に見えて、実は軍隊並みに規則正しかった寮生の1日。お楽しみに!