「高専って実際のところどうなの?やめといたほうがいい?」

 進路選択の時期になると、中学生や親御さんから本当によく聞かれる質問です。

こんにちは、北海道大学の大学院でAI(画像処理)の研究をしているヒグマです。

ネットで検索すると、「高専はやめとけ」「やばい」「後悔する」といった少し怖い言葉がたくさん出てきますよね。

最初に断言しておきますが、この記事で「高専の良いところだけ」を語るつもりはありません。高専から専攻科、そして大学院へと進学した私の実体験から、良い面も、リアルな厳しさもすべて正直にお話しします。

これを読めば、自分が「高専に向いているタイプ」なのかどうかがハッキリ見えてくるはずです!

結論:高専は全員には絶対におすすめしません

いきなりですが、これが最大の結論です。 高専は普通の高校より優れているわけでも、劣っているわけでもありません。ただ、「向いている人」と「向いていない人」が残酷なほどハッキリ分かれる学校です。

◆ 向いている人: 専門分野に興味があり、自走できる人にとっては、同年代のバケモノ級の天才たちと出会える「最高の遊び場」になります。

◆ 向いていない人: 「とりあえず普通の青春がしたい」「課題の管理が苦手」という人にとっては、かなりしんどい5年間になるリスクがあります。

01. 普通の高校生活を夢見ている人は要注意

高専の学生生活は、ドラマや漫画にあるような「普通の高校生」とはかなり違います。

クラス全員で大学受験を目指す空気感はありませんし、学科によっては男女比も大きく偏ります。

同じメンバーで5年間を過ごすため、「男女半々で、みんなで受験に向けて青春!」というイメージを持っているとギャップに苦しむかもしれません。

ただ高専に青春がないわけでは全くありません。

 学生主体で動かす文化祭でのロボット展示や化学実験、ゲーム大会などは、高校というより「大学の学園祭」に近い熱量があります。

同じ趣味や熱中できるものを持つ仲間と過ごす、高専ならではの濃い青春がちゃんとあります(濃すぎます...)。

02. 中学でノー勉で余裕だった人」ほど危ない

実は高専で一番つまずきやすいのはこのタイプです。

中学までは「授業を聞くだけ」「テスト前に教科書をパラ読みするだけ」で高得点が取れていた人。

高専に入ると数学、物理、専門科目、実験レポートと一気に十数科目の重いテストがのしかかってきます。 

そこで初めて「あれ?勉強のやり方がわからない…」とパニックになり一気に単位を落としてしまうケースが後を絶ちません。

高専で留年する人は決して頭が悪いわけではありません。

「失敗したときに、自分のやり方を変えられるか」が高専で生き残る最大の鍵になります。

03. ぼっち完全回避は必須「持ちつ持たれつ」のサバイバル

高専の勉強を一人で完璧に乗り切るのは至難の業です。 

過去問の情報交換、実験の班活動、分からない問題の教え合いなど、「持ちつ持たれつの協力関係」がめちゃくちゃ重要になります。

コミュニケーションが苦手だから不安……」という人も安心してください。 

高専にはFPSやMOBAなどの対戦ゲームにガチで取り組む人、プログラミングオタク、電子工作の魔術師など、本当に多様な人がいます。

普通の高校では趣味が合わなかった人でも高専なら「あ、こいつ話が合うな」という相手が必ず一人は見つかります。

04. 専門分野に興味がないなら一度立ち止まる

15歳で「自分はこれを学ぶ!」と専門を決めるのは冷静に考えるとかなり早い決断です。

「偏差値が高いから」「就職が良さそうだから」「パソコンが好きだからなんとなく情報系」という理由だけで選ぶのは危険です。

実際には楽しいものづくりだけでなく、その土台となる数学、物理、回路計算など、地味で難しい理論をゴリゴリ学びます。

入学前に、学科名だけでなく「どんな実験をするのか」「卒業研究のテーマは何か」を必ずチェックしておきましょう。

05. 「自己管理」ができないと詰む自由な環境

高専は非常に自由ですが、その分「自己責任」が伴います。

 レポートの期限、出席日数、再試験への対応など先生がいちいち「提出した?」と確認してくれることはありません。

最初から完璧である必要はありません。

大切なのは、「やらかした後に、次からどうやって防ぐか」を自分で考え、相談できる力です。

06. 「就職率100%」という数字だけで選んではいけない

「高専=就職無双」は事実です。

企業からの求人は山のように来ますし若い段階から実務能力のあるエンジニアとして評価されます。

しかし就職率の高さと入社後の待遇(給与や昇進スピード)はイコールではありません。

企業によっては大卒や院卒と初任給やキャリアパスが異なる場合があります。

大手通信会社やIT企業でどのようなエンジニアとして活躍したいのか、その先のキャリアまで見据える視点が必要です。

だからこそ高専には就職だけでなく「大学編入」「専攻科」「大学院進学」という強力なカードが用意されています。

学歴や進路の上限は高専に入ったからといって決まるものではありません。

07. 濃くて狭い人間関係。クセの強い天才たちとの出会い

5年間同じメンバーで過ごすため人間関係が固定化されやすいという逃げ場のなさはあります。

ただ私はこの「クセの強い天才たち」との出会いこそが高専の醍醐味だと思っています。

授業では全然目立たないのに趣味のプログラミングではとんでもないコードを書く同級生など、刺激的な出会いがたくさんあります。

08. ズバリ、高専に行くべき人・やめたほうがいい人

ここまでのリアルを踏まえて、明確な判断基準をまとめました。

【高専に向いている人】

  • 数学や理科が好き、または苦じゃない

  • ものづくりや特定の技術に強い興味がある

  • 自分より圧倒的に優秀なバケモノから刺激を受けたい

  • 失敗しても、原因を分析して次へ活かせる

  • 分からないことを周りに「助けて!」と言える

    【普通高校も慎重に検討したほうがいい人】

  • ドラマのような「普通の高校生活・青春」が最優先

  • 専門分野に実はそれほど興味がない

  • 課題の提出期限を守るのが極端に苦手、かつ直そうとしない

  • 困ったときに誰にも相談できず、一人で抱え込んでしまう

    まとめ:もう一度中学生に戻っても、私は高専を選ぶか?

    高専の厳しさも、普通高校との違いも、その後の大学院進学もすべて経験した今。 私の答えは、「もう一度、迷わず高専を選ぶ」です。

    ただし今度は「頭の良さだけで乗り切ろうとしない」「早めに勉強習慣を作る」「すぐ周りに相談する」の3つを最初から徹底しますw

    高専は合う人にとっては自分の可能性を爆発的に広げてくれる、本当に面白い環境です。

    ネットの「やめとけ」という言葉だけで諦めるのはもったいない。この記事が、あなたにとってベストな進路を選ぶためのヒントになれば嬉しいです!
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