卒業生の本音

就職と人間関係の
現実

就職率が高いことと、待遇が高いことは同じではありません。それでも、高専には普通高校では得にくい面白さがあります。

書いた人:ヒグマ第3部/全4部読了目安 約8分

第3部では、「高専は就職に強い」という言葉の見方、固定されやすい人間関係、そしてそれでも高専が面白い理由を本音で整理します。

06 / CAREER就職率だけを見て高専を選ぶのはやめよう

高専は就職に強い。これは、よく言われる話です。

実際に、高専には技術職を中心として、多くの企業から求人が来ます。

ただし、「高専に入れば、大企業に簡単に就職できて、その後も一生安泰」と考えるのは危険です。

就職率が高いことと、年収や待遇が高いことは同じではありません。

本科卒で就職した場合、企業によっては、大卒・大学院卒と初任給、配属、昇進、担当する仕事が異なることがあります。

高専生は専門知識を持っており、若い段階から技術者として働けます。企業側から見ると、実務能力のある若い人材を採用できるという大きなメリットがあります。

これは高専生にとっても、早く現場経験を積めるというメリットです。

ただし、企業に入ったあとの待遇やキャリアは、就職率だけでは分かりません。

  • どの企業に入れるか
  • 入社後にどのような仕事をするのか
  • 大卒・大学院卒と扱いが違うのか
  • 将来、どのようなキャリアを歩みたいのか

ここまで考える必要があります。

高専には、本科卒で就職する以外にも、大学編入、専攻科、大学院進学という選択肢があります。

私自身も、高専本科から専攻科へ進み、その後、旧帝大の大学院へ進学しました。

つまり、高専に入ったからといって、学歴や進路の上限が決まるわけではありません。

ただし、進学も就職も自動的に成功するわけではありません。高専という環境をどう使い、自分の実力をどのような待遇やキャリアにつなげるかは、最終的には自分次第です。

07 / RELATIONSHIPS狭い人間関係が苦手な人は慎重に

高専には、良い意味でも悪い意味でも個性的な人が多いです。

数学、プログラミング、電子工作、機械、ゲームなど、特定の分野に強い興味を持つ人が集まります。普通高校とは、少し違った雰囲気があります。

この環境が合う人にとっては、とても居心地のよい場所です。中学校では理解されにくかった趣味を、当たり前のように話せる友人が見つかることもあります。

一方で、同じクラスで長期間過ごすため、人間関係が固定されやすいという問題もあります。

学科によっては男女比も大きく偏っています。クラス内で人間関係が悪くなった場合、普通高校より距離を取りにくいと感じるかもしれません。

ただ、個人的には、高専の個性的な人たちはかなり面白かったです。

普通では思いつかないものを作る人
一つの分野について異常に詳しい人
授業では目立たないのに、趣味ではとんでもない技術を持っている人

そういう人が、普通に同じクラスにいます。

個性的な人が多いことは、高専の欠点でもあり、大きな魅力でもあります 合う人にとっては、自分の興味を隠さずに話せる居場所になります。

WHY IT IS FUNそれでも高専が面白い理由

ここまで読むと、「やっぱり高専って大変そうだな」と思ったかもしれません。

実際、大変です。

ただ、それでも私は、高専には普通高校では得にくい魅力があると思っています。

高専には、中学生の頃から数学、プログラミング、電子工作、機械設計などを深く学んでいる学生がいます。

上位層の知識量や技術力は、本当に同年代とは思えません。

自分より圧倒的にできる学生と同じ教室で過ごし、その人が作った作品や研究を見る。それだけでも大きな刺激になります。

分からないことを友人に質問すると、自分にはなかった考え方を教えてもらえることもあります。逆に、自分が得意な分野では、友人を助けることもできます。

高専のレベルや学科によって違いはありますが、周囲に技術が好きな人が集まっているだけで、自然と知識や考え方が広がっていきます。

普通高校では少し浮いてしまうような趣味や興味が、高専では強みになることもあります。

これは、高専の大きな魅力です。